老舗酒蔵 集客と効率化 天山酒造

煉瓦を基調とした外観デザイン

天山酒造の店舗、蔵、事務所改装を行いました。

玄関、事務所、通路、店舗、会議室、応接室、展示室、イベントスペース、外観、古道具活用再生しました。

【玄関】古民家や酒蔵を改装工事するさい、現地調査を細やかにします。従業員やお客様の導線、風や光の流れを考え平面図にイメージを落とし込んでいきます。殆どの場合、建った当初の間取りに戻ります。 それは、きっと不自然になってしまっているから元に戻ろうとするのです。長年の間に、使用用途がかわったり設備や従業員数が変わって間取りも変更になったり増築したりされています。 玄関も紐解いていくと、今回ご提案した位置にもともと玄関があったようです。

 【通路】製造場への入口を開封しました。これからは、事務所と酒蔵を繋ぐ大切な導線となります。もともと合った扉を開けるということで新たな良さを感じることが出来ました。蔵人の宿泊用の建物の壁面を利用し棚を製作しました。そこに蔵の2階に保管してあった白磁樽を展示し来場者に見ていただけるようにしました。 要の場所となりました。

 【仕込み水】天山酒造さまのお酒造りにもっとも大事な要素のひとつ「仕込み水」。ご来場の方々に味わっていただく給水所を製作しました。蔵の中に入る前の手水鉢のような役目もはたしています。 白磁の樽は、蔵の2階に保管してあったもので、このデザインは1つしかありませんでしたので加工に緊張しました。唯一無二のものができました。

 【酒蔵の小屋裏に眠っていた木製看板】数十年前の息吹を感じます。 風合いを消さないように、塗装をし修復しました。新店舗の看板に再生活用しました。

 【水道配管】老朽化した配管を撤去し新設します。水の供給源がどこなのか分からなく建物周辺を探しました。井戸水、水道水複数ある場合は何度も確認して新たに取り替えます。古い建物の改装工事をする場合、水道設備や電気配線などが複雑になっている事が多いです。必要になった都度、増設したり断線したり、井戸水用配管や上水配管、排水も、様々で解体しないと分からない位、複雑になっています。  1つ1つ丁寧に辿って行き、活かすもの不要なものに分ける必要があります。改装の機会にどれがどうなっているのか図面上に落とし込んだり、一見して分かるように整理したりすることが必要です

 【応接室】梁を見せ、古民家のよさを表に出しました。昔からあった本棚は、奥に眠っていましたので。応接室を惹き立てつつ機能性を重視してレイアウトしました。 落ち着いた雰囲気で打合せができます。

 【事務所】以前は全ての玄関窓口となっていました。 事務所に用事の無い方も、一旦ここを経由しないといけませんでした。 事務員さんの仕事が多忙になることと、内部を全てみせているような状態でしたので、不便でした。 冷暖暖房機器の効きも悪くなりますし、西側の窓から入る熱がとても暑かったようです。  そこで、事務所入口と大玄関を分けました。機密性が増しました。プライベートな空間となりました。

【赤煉瓦の煙突】天山のロゴを描きました。 酒蔵らしい赤煉瓦の煙突に名前が入るとぐっと雰囲気を醸し出してくれました。

【酒蔵の小屋裏に保管されていた木槽(酒を搾る機械)】銀杏の木で作られていました。製作当時の新聞が挟まっていたので蔵元にお渡しししました。①煉瓦蔵のBarカウンターとして再生しました。 お客さまと蔵元を繋ぐテーブルとして再生しました。  ②通路のディスプレイとして再生しました。 下部に照明を入れ、中央部を骨董の展示、上部にガラスをつけました。

[酒販売所]化粧木箱 展示棚 収納棚 以前開口部だった場所に、高窓をつけ光と風が出入りできるように開口を残しました。酒蔵の小屋浦に保管されていた昔使っていた化粧箱(木箱)を店舗の意匠に使いました。側面には、ローマ字でTENZAN、上部には感じで天山の文字が入ってました。 最初に酒蔵の古道具を見せていただいたとき、蔵元から是非何かに使ってくれないかとご依頼されたのを覚えています。 薄っすらとイメージが浮かびますが、具体的にこう使いたいと出てきませんでした。 解体が進み、店舗の大きさが見えた頃に、ふっと「煉瓦タイルのように壁に貼り付けよう」とアイデアが浮かびました。 展示棚の下は、ケースのまま在庫を収納できるようにしています。目隠しに、酒袋を使用しました。

【玄関上部】3階建です。 もともとは、干場などで利用されていたようです。 2階の窓からは燦々と光が入ってきてました。 その光を、新規の玄関から通路、店舗に入るように2階の床を解体し、吹抜けにしました。 改装後は、日中なら電気を着けなくても充分明るい空間となりました。圧迫感も無くなりました。

【箪笥長持の扉】大切に収納してあった、箪笥長持を扉に作り変えました。桐の箪笥長持でしたので、虫食いなどの痛みはまったくなく、金物も錆が無く上品なものが取り付けてありました。 蔵元ご家族が毎日通る廊下の出入口に扉を取り付けました。時には親戚や大事なお客様が通られる場所です。 先代から伝わる道具や家具を再生させていただきましてとても感謝しております。蔵元も大変喜んでおられました。

【貴賓室】明治大正期に作られた、天山酒造貴賓室。時代とともに導線が変わり、式台玄関より中庭円縁側を通って使用されていました。 今回の改装で、当初から合った貴賓室玄関から入場できるようにしました。見事としか言いようの無い仕様です。絨毯を板張りに替え、痛んでいた壁紙を補修しました。本棚の整理や、ディスプレイの変更、アンティーク応接家具の設置を致しました。正面入口は、階段を数段登るようになっていましたので手摺りを設置致しました。

【木製樽蓋】倉庫に眠る樽蓋と酒樽数十年眠っていたために、状態の良くないものもあります。使いにくいからといって選ばないのではなく、使える部分を見定めて、用途に合わせた使い方を考え工夫いたします。

【木製樽蓋】折りたたみ式のカウンターテーブル。イベントなどで大勢来場される場合は、画像のように折りたたんでスペースを広くします。

【酒樽】酒蔵の2階に保存されていた木製の酒樽を再活用しました。店舗通路の腰壁にしました。 1つずつの部材は弓形に曲がっており横側も斜めに削ってあります。それを真直ぐな壁に施工していく。木の樽の風情を残しながらの作業が難しくもあり、雰囲気をかもし出す最大の要素です。 関心したのは、木樽の幾つかは削ると醤油の香ばしいにおいがしてきました。醤油を作っていた樽もあったようです。

【土間】増築や改装されていたところを部分的に解体しました。すると、壁や天井には立派な柱や梁、天井板が現れました。また、途中の間仕切りを撤去して土間の高さを合わせた所、光と風が通り始めました。

リニューアル前
天山酒造 改装前1
天山酒造改装前
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ホール3

天山

リニューアル後
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木槽再利用 Barカウンター
木製化粧箱・搾り袋 再利用 販売所
白磁樽再利用 陳列棚
長持ち扉
アクセス
お客様の声

以前は、 ご来場のお客様は事務所でお酒を注文いただき待ってもらっていました。その間に工場冷蔵庫まで商品を取りに行っていました。導線が不便であること、や来場客が来賓が多くなってきたため事務所改装と新規店舗部分製作をお願いしました。

事務所に用事のある方や職員の導線 と お酒を購入される方 の導線を分けながらも1人で十分対応できるレイアウトになったお陰で、お客様を待たせることなくサービスできています。 距離が短くなったことによって体も楽になりました。

また、来賓の方用の貴賓室 や一般的な打ち合わせ用の応接室を分けて 特別感を演出することができる様になりました。 めったと使わなかった貴賓室がお客様を気軽に座ってもらうことにより蘇りました。お招きしたお客様も、特別な空間を体感できて喜んでいただいてます。

酒蔵までの導線も、単純化してもらったので日々の作業効率もよくお客様の流れもよくなりました。イベントなどで多くの方がいらっしゃる際は特によく感じます。

また、眠っていた古道具に新たな息吹を与えてもらい 蘇りました。 お客様の写真撮影スポットになっています。